こんにちは。ゴルフトレーナーの谷崎です。
今回は、「ツアー帯同トレーナー」に興味がある人に向けて、一体どんなことをしているのか、どうしたらなれるのか、について書いてみようと思います。
コアなゴルフファンの方にも是非読んで頂きたいです。
ツアー帯同トレーナーの仕事は?
仕事内容
主な仕事内容としてはこんな感じです。
- ケア(マッサージ、ストレッチ、鍼灸など)
- トレーニング指導
- 怪我などの応急処置
- テーピング
- 食事指導
これらを1人で担う場合もありますが、それぞれ担当を分けて採用している選手もいます。
これ以外に、雑務もあります。
- 車の運転
- 食料の買い出し
- 美味しい店を探す…
何でも屋さんになる場合は、本当に大変です。
一週間の流れ
日本では、ゴルフの試合は男子ツアーも女子ツアーも、だいたい1週間単位での行動をすることになります。
試合は3日間でも、その前にプロアマは練習ラウンドがあります。
3日間競技の場合は、金・土・日が試合ですので、その週の火曜日に現地へ移動します。
4日間競技の場合は、木・金・土・日ですので、月曜に現地入りということが多いです。
月曜日に現地入りする場合、女子の試合はほぼ毎週試合があるので、前週の試合が終わった日曜日に、そのまま次の試合会場へ移動する感じになります。
男子ツアーはほぼ4日間競技ですので、試合が続くとかなりタイトなスケジュールになります。
私の場合は、選手と行動をほぼ全て共にしていたのでこういう流れになっていますが、
トレーナーさんによっては木~土だけ帯同だったり、金曜日までだったり色々なパターンがあるみたいです。
試合中もトレーニングするの?
火曜日・水曜日・木曜日には練習後トレーニングをすることもあります。
試合中のトレーニングはしたりしなかったりですね。選手の体調次第です。
選手が希望するので筋肉痛が残らない程度の負荷のかけ方だったりしますが、ある程度はしっかり刺激しないと強くなれないので、加減が難しいところ…。
海外のツアーも経験しましたが、外国の選手は試合当日の朝からモリモリと重いダンベルなどでトレーニングしています。
あんなことしたら試合で疲れてしまう、筋肉痛が心配だ、と考える人が多いのですが、普段からやっているのでそんなにしんどくないのでしょう。あくまでもウォーミングアップとしての負荷だと思います。
さすがに試合の朝にオールアウトするようなメニューではないはずです。
どこでトレーニングする?
こうして比べてみると、日本の選手はトレーニングが足りていないなと思うことは多いです。
ただ、海外とは環境が全く違うのでなかなか難しいですね。
重いダンベルやバーベルを持ち運ぶのは理にかなっていないので、ホテルにジムがあるのが望ましいですが、日本でそんなホテルを探すのは困難ですし、外資系の高いホテルに泊まるのはコスパが悪いですから。
海外には多くのホテルにジムが付いていますし、試合開催側が選手にホテルを提供してくれることが多いので、トレーニング可能な環境が整っていると言えます。
日本ツアーの場合
前述のように、ホテルにジムがないわけなので、トレーニングする場所に困るわけです。
みんな工夫を凝らしていて、だいたいこんな感じに分類されます。
- クラブハウスお風呂場の脱衣所
- クラブハウスのロッカールーム
- クラブハウスやホテルの駐車場
- ホテルの部屋
- 近隣のジム
近隣のジム以外は、ほとんどの場合で高重量を扱えないので、自重トレーニングや軽いウェイトトレーニングとなります。
近隣ジムというのは、24時間フィットネスなどのチェーン店が今はたくさんあるので、そこを利用する選手もいるようです。
スケジュールが決まるのは直前
試合のペアリングは、試合2日前に発表になります。
ここで、試合初日のスケジュールが決まります。
たとえば、試合初日スタートが8:00だった場合の流れはこんな感じです。
4:15 起床
5:15 移動、朝食
6:15 ウォーミングアップ・ストレッチ
7:00 練習
8:00 ティーオフ
13:00 昼食(食べたり食べなかったり)、練習
16:00 ホテルへ移動
17:00 ケア(選手A)
18:00 夕食
20:00 ケア(選手B)
21:00 レポート作成、翌日の準備、シャワーなど
23:00 就寝
私の場合は選手が2名だったのでケアの時間はさまざまで、
必ずしも上記のとおりではないですが、一例としてはこんな感じです。
担当選手が一人の場合は、ケア2回目がないのでもっと早く仕事は終わりになります。
日照時間が長くなってくる初夏~夏はスタート時間が早いときは7:15というときもありますので、
3時台に起きることもよくあります。
その日の成績で次の日のスタート時間が決まるので、選手も頑張ってます。
※成績が悪い人の方がスタート時間が早い
まぁ私の場合は選手2名だったので、2人のうちの早い方に合わせて行動することになっていました。
いずれにしても朝は早いです…
試合中は何をしている?
選手がラウンドしている間もずっと、ギャラリーと同じように歩いてまわります。
スイングや歩く様子をみていつもと違うことはないか、何か必要としていないかを常にチェックします。
ときどき氷嚢が欲しいとか、絆創膏が欲しいとか言われますので、持ち物もたくさんです。
基本的には、ラウンド中、練習中は見守るだけということになります。
何もないのが一番ですね。私の出番は少ないほど選手は元気ということです。
お風呂場の脱衣所は狭い
朝のストレッチや、練習後のトレーニングなどは、すべてクラブハウスのお風呂場にある脱衣所で行いました。
そこをトレーナーが使用するのは有料ですので、選手によっては屋外やホテルで済ませているようです。
脱衣所だと他の選手もたくさんいて、みんな様々なことをやっているので見ていて楽しいですね。
この写真は広い方です。狭いときは本当に狭くて、選手はお金払っているのに…と思うこともしばしば。
ケアってどんな感じ?
夜のケアはだいたいホテルで行います。
私はホテルのベッドを使ってケアするのがあまり好きではないので、マッサージベッドを持ち込んで行っていました。
韓国選手でしたので、K-Popをかけながらということが多かったです。
それまで一度も聴いたことはありませんでしたが、毎日聴いていたら慣れてきて一緒に口ずさめるくらいになっていました(笑)
あと、韓国の方は敬虔なクリスチャンの方も多いようで、お祈り?牧師さんの説法?を聞いている選手もいました。リラックスの仕方は人それぞれです。
この時間に私は翌朝の出発時間を選手に確認しておきます。
だいたい1時間~1時間半ほど、身体をほぐしたらおしまいです。
終わったら、今日のまとめをして、明日の準備をして、一刻も早く寝ます。
こんな感じです。
この記事、需要はあるのかな(笑)
練習ラウンドの日はまた少し違ったりしますけども。
興味がある方がいればまた書こうかなと思います。